2020年4月26日(日)週報掲載記事

「神学生サポートの重要性(その4)」

今回を含めてあと2回、本テーマで書かせていただきます。まずは『ケープタウン決意表明』より。

「神学教育の機関及びプログラムは、そのカリキュラム、構成、価値観を宣教の観点から監査し、それぞれの環境において教会が直面している必要及び機会のために真に役立つことが保証されるようにと、私たちは要請する。」(p.91)

 ここで言われていることは、解説も必要ないほど明瞭でしょう。学問のための学問ではなく、現場のための学問であることが求められているのです。イメージとしては、教会は神学生を神学校に派遣し、信徒の方がなかなか足を運んでまで学ぶ機会を持てない神学全体を学んできてもらい、それを教会の現場で応用していただくということです。
 私は先日、母校に電話をし、暫し校長先生とお話しする時間が与えられました。気づけば卒業して12年の歳月が流れ、時代も変わりました。私が在籍していた時期も学びはハードに感じましたが、その後、聖書信仰の分野においても日本の福音主義神学は進展し、2011年の東日本大震災やこの度の新型コロナウイルスといった重要な社会情勢の変化に対応するため、学ばなくてはならない内容がグッと増えたと聞きます。それに応じて講師陣も世代交代し、テキストも変わったそうです。もし私がこれから入学するとしたら、再び一からとは言わないまでも7割以上は学び直さなければならないでしょう。牧会の現場での経験によって成長させられた面があると同時に、学問の現場を離れたことによって入ってこなくなった多くの情報があることも実感しています。その意味で、これから学んでいかれる神学生を心からリスペクトし、私自身も初心に帰って知らないことを学び取りたいと思っています。教会の皆様にも同じ思いをもって支援していただければ幸いです。《次回に続く》